パチンコ屋さんのほっこりサービス案内

こんにちは。偏愛パチンコライターの栄華です。
今回は久しぶりに「貼り紙ネタ」をお送りしたいと思います。

ちなみに、これまで貼り紙(掲示物)を題材にこんな記事を書きました。

トイレの貼り紙を見ずしてパチンコを語るな(前編)
トイレの貼り紙を見ずしてパチンコを語るな(後編)
パチンコ手書きくらぶ

読んだ方には、「パチンコ屋さんって、世話を焼きすぎるぐらいお客さんにサービス(それもささやかな)をしようと頑張ってるんだな」ということが伝わったと思いますが、まだまだ伝え足りません。

とにかくですね、パチンコ店のサービス案内を見てると「ほっこり」するんですよ。ちょっと時節柄アレな言い回しですけど、わたし「ほっこり依存症」なんです。全国のパチンコ屋さんを訪ね歩き、貼り紙から温もりを感じてほっこりすると脳が気持ちいいんですよね。

思えば、以前は「遊技そのもの」に依存してました。使っちゃいけないお金をパチンコに注ぎ込み、周囲にウソをついてホールへ行き、「やめなきゃ…」とイラ立ちながらも台の前から離れられなかったんです。でも今ではすっかり抑制できるようになり、打つことに夢中だったあの頃にはもう二度と戻れないんだなあ、と過去の自分を羨ましく思うことがあります。懐かしくて大切な「のめり込みの思い出」だってあるんです。

話が逸れました。ええと。そんなわけで遊技そのものにはのめり込めなくなってしまった私ですが、今はホール探訪を通して脳から湧き出ずる快感物質に淫しているわけです。比べるのも変ですが、パチンコ遊技より探訪のほうがよっぽどお金が出て行きますよ。

では、ここからはテンポよく「ほっこりする貼り紙の数々」を紹介してゆきましょう。

 

ひざ掛け合戦

最初はこちらから。

夏はキンキンにきいた冷房、冬は足元の冷えから身体を守る ひざ掛け(ブランケット)はパチンコ店の備品に欠かせないアイテムです。探訪時の写真を保存しているクラウドストレージを「ひざ掛け」「ブランケット」という語で検索してみると数えきれないほどの候補が表示され、さながら「ひざ掛け貸出し合戦」の様相です。「同じサービスを数多くのホールが提供する」という現象には変わり種がつきものでして、ほっこり系のサービスも色々あります。

 

たとえばこんな可愛いやつ。

ブランケットの「柄」をアピールする例です。きっと黄色いクマの好きな店員さんが「これ書いたら絶対お客さんが喜んでくれる!」と思ったんじゃないでしょうか。こんなに可愛いブランケットがあるんだよ? さあ気軽にどんどん借りて! という高揚感が伝わってきてほっこりします。まさかD社もパチンコ店の貼り紙にまで申し立てはしないでしょうが、センシティブな内容が含まれる部分に一応モザイクをかけてみました。

続いてこちら。

ブレスレットではなくひざ掛け。繊維にゲルマニウムが練り込まれているのでしょうか。空気の悪いホールで終日遊技して毒素を貯め込んでも、ゲルマニウムの健康効果が相殺してくれそうです。

 

こちらは「表記のしかた」で店のカラーを出している例。嫌いではありませんが、ちょっと好みが分かれそうです。

 

ちなみに私が一番「好き」と感じたのはこちらです。

かゆい所に手が届く「クリーニング済み」という語に「暖かい」が重なった時のとてつもない安堵感。ブランケットの上でトランポリンよろしくバウンドする白クマのぬいぐるみ(ファーなんとか)の姿が思い浮かびませんか。寒くもないのに香りと手ざわりを楽しむために借りてしまいそうです。

 

驚いたのはこれ。


ひざ掛けでは満たされない寒がりさんを決して切り捨てないジャンバー貸し出しサービス。私が知る限り、これは他店で見たことがありません。年配客の多そうな東北地方のホールでした。お年寄りって自身の体調の変化に気づきづらい方も多いですから、きっと店員さんも「寒くないですか?」なんて声かけしてあげてるんだろうなあと勝手に妄想しました。

 

アイラブ老人

「お年寄りの常連客」は、ほっこり系サービスの多様化と発展に不可欠な存在です。「あなたを大切に思っています」「ここはあなたの居場所です」「いつまでも元気でホールへ通い続けてください」とお年寄りに伝えたい。そんなホールの思いが貼り紙から溢れ出ているのを見た時、私の脳はほっこりに満たされるのです。例えば、

大人のぬりえ+絵本になるぬりえ。まるでデイサービスのようです。

 

脳トレクイズ。有名な先生が監修されていました。

 

そして、これは貼り紙ではありませんがぜひ紹介させてください。
何だと思います?

「大人用紙オムツ」なんです。英字新聞に包んでオシャレなクローゼットの中に収納されていました。私は以前、介護老人保健施設でリハビリの仕事をしていたんですが、「オムツを装着することで人間としての尊厳が損なわれた」と感じるお年寄りの多さに胸を痛めた経験があります。そういった心理まで理解しての提供方法なんでしょうね。サイズを複数取り揃えているところに「一人一人に対応しよう」との姿勢も感じられ、福祉職の端くれとして学ぶところが多々ありました。

 

サービス一覧の宇宙

「パチンコ店のサービス案内」と言えばこのタイプを思い浮かべる方も多いでしょう。大半のホールが出入り口付近やトイレなどにこういった掲示物を貼りだしていますね。

中には「出玉共有OK」などの営業スタイル表示、「プロお断り」などのハウスルール表示が合体していることもあります。

 
↑このあたりはごくスタンダードで、別段珍しさを感じるサービスはありません。表示を見慣れていない方には、どんなサービスが珍しいのか判別できないと思いますので、ここからは私基準でレアケースをいくつか挙げてみます。

 

例えばこちら。さてこの中で、珍しいサービスはどれでしょうか。

 


答えは「ボールペン&メモ用紙」の貸し出し。これは初めて見ました。「忘れる前にすぐメモを」とありますが、どんな場面を想定してのサービスなんでしょう。調子が良かった台の番号をメモっておくのかな。 家から携帯電話に電話がかかってきて「帰りに買い物してきて」なんて頼まれた時のため? 余談ですが私の祖父は晩年脳卒中を発症し、遊技中にトイレへ行くと自分の打っていたパチンコ台を忘れて戻れなくなっていたので、こういう物を持たせてあげればよかったなと思いました。

 

続いてこちらは、「マイホでもやってほしい!」と思ったサービスが含まれています。

 

 


「服ホコリとりサービス」。これはありがたいですね。まあ、そこまでやってもらうのは店員さんに申し訳ない気もしますが、濃い色のベロア地の服などを選んだ日には助かります。また、この右上には「携帯充電・クリーニングサービス」という文字も見え、液晶画面を拭いて下さるようです。

 


これも同じホールです。帰るころには服も電話も靴もサッパリして、負けても清々しい気分になれそうですね。至れり尽くせりで高級ホテルのようです。

 

そしてこちらは、私が過去に見た中で「最もクセが強いサービス案内」です。どこから突っ込めばいいのか分からないほどわが道を貫いておられますが、個人的に気になったところをいくつかクローズアップしてみます。

 


万歩計の貸し出し。これは初見でした。でもパチンコ店に遊びに来ている間にそう歩くことはありませんので、おそらく持ち帰り可にしていたのではないかと想像します。「この前打ちに来た時から今日までに15000歩も歩いたよ」なんて店員さんに報告するお客さんの姿が目に浮かびます。

 

この一列はなかなか濃いですね。

上から順に。まず、3種のハンドソープ 。これに関してしては意外と珍しくありません。「香り」「肌への優しさ」「殺菌効果」など、複数のハンドソープを設置する店は全国的に見られるんです。

3種のハンドソープを設置しているホールいろいろ

漢方薬手引きの設置 は見事な難解さですね。店主が漢方コーディネーターの資格でも持ってるのか、あるいはホールの経営会社が漢方薬局でもやっているのでしょうか。「個性が強すぎて意味が分からないサービス」に出会える機会はなかなかありません。尊いです。

 ※「スタッフはみんな美男美女?」についてはあえてノータッチでいいでしょう。

 

そして、私のほっこりゲージが最も高まったのはこれです。


「リーチや演出のお話」
お話ですよ、お話! ただお話に付き合ってくれるんです。「今日魚群3回続けて外してもうたがや」とか「アグネスラムがチューしてくれて大当りしたんやで」みたいなお話に最高の相槌を打って下さるに違いありません。全国のホールに「相槌名人」の店員さんは大勢おられると思いますが、それをサービスとして案内表示に記載するとは並々ならぬ矜持を感じます。

 

マイベスト3

そろそろ文字数が3500を超えてきたので、まとめに入ってゆきます。個人的に「ぜひ他のホールでもやってほしい!」と思ったサービスベスト3を唐突ながら発表しますよ。

 

第3位:マイ玉カップにデコってくれるサービス


各台計数機システムを導入するホールが増え、次第に存在感が薄れつつある玉すくいカップ。この写真は約9年前に撮影したものですが、今からさらに9年後には「これ何に使ってたの?」と若い方から質問される時代が来るかもしれません。だからこそ、まだ玉に触れられるうちに作っておきたい。マイホの仲良し店員さんにデコってもらった玉カップを思い出の宝箱にするプロジェクト を発動しましょう。

 

第2位:ドリンク飲み放題サービス


普及してないのが不思議な気もしたんですけど、いかがでしょう? 「まだ今日は1杯しか飲んでないからもう少し打っていこうかな」とか「大負けしたからドリンクだけでも大量に飲んでやる」みたいな心理がどう遊技に影響するのか興味津々です。注意書きにある通り「複数でのまわし飲み」を監視しなければならないのでホール側は大変そうですが、私は客として利用したいと思いました。

 

第1位:時間別にBGMを変えてくれるサービス


これいい! たまに店内放送で好きな音楽が流れると「ああもう一生打っていたい」と思ってしまう派の私としては、常連さんが心底うらやましいです。演出音や玉音の喧騒であんまり聞こえないのかもしれないけど、演出音の凪いだ切れ切れに、ジュリーとか吉田拓郎とかゴダイゴとか荒井由実が聞こえてきたら最高ですよね。朝イチから通いますとも!

 

ああ。気持ちがいい。

この記事を書くのにサービス案内の写真フォルダをひっくり返しましたが、見ているうちにどんどんほっこりが高まって今とっても幸せな気分です。紹介したサービスは10年近く前のものが含まれていますし、所轄の指導により「ウチの地域ではNG!」といった物もあったかもしれません。それでもホールはできることを見つけ出し、思いを伝えるためのサービスを提供してゆくのでしょう。そして私はそれらを追いかけ、妄想まじりのエールを送り続けてゆこうと思うのです。

 

 

WRITER 栄華

ライター

「パチンコの周辺文化」を探究するフリーライター。全国2200店以上のホールを訪ね歩き写真を撮影するほか、「パチンコ店のトイレ研究」や「パチンコ書籍の蒐集」など、他の追随を許さない独自の着眼点が注目されている。活動媒体は「パチンコ必勝ガイド」「パチンコ・パチスロTV!」など。