正しい敬語を使えていますか? vol.6 間違いがちな二重敬語「お体をご自愛ください」

敬語を勉強して、使う言葉のレパートリーが増えてきましたが、その使い方は大丈夫でしょうか。
改めて確認してみましょう。

 

どうぞお召し上がりください

「食べる」「飲む」の尊敬語は「召し上がる」です。敬語の中でも特定形と呼ばれるもので、特定の語形に変化します。

例えば

「行く」「来る」「いる」→「いらっしゃる」

「言う」→「おっしゃる」

「くれる」→「下さる」

「来る」→「見える」

などがありますね。

また、特定形とは逆にいろいろな語に使えるものを一般形と呼びます。

敬語によくあるパターンで「お~になる」「~なさる」などがありますね。

「本をお読みになる」「電話を利用なさる」と使います。

今回の「どうぞお召し上がりください」のポイントは、二重敬語です。

二重敬語とは、一つの語について、同じ種類の敬語を二重に使ったものを言います。一般に、二重敬語は適切でないとされているので、避けたほうがよいでしょう。

 

 

今回は、「食べる」「飲む」の尊敬語「召し上がる」に、「お~ください」の尊敬語が使われ、二重になっていますね。

正しい表現は「召し上がってください」です。TPOに合わせて、「ぜひ召し上がってください」「みなさんでお食べください」「ご賞味ください」と言ってもいいですね!

ただ、「お召し上がりになる」や「お見えになる」のような場合は、習慣として定着しているとも言われていますので、大きな問題になることはありませんが、気にする方がいるのも事実です。同様に、謙譲語の「お伺いする」「お伺い申し上げる」も習慣として定着していますので、大きな心配はいらないでしょう。

例えば「本をお読みになられる」の場合、「本をお読みになる」の尊敬語+「~れる」の尊敬語で、二重敬語になります。

以前、「正しい敬語を使えていますか? vol.2でも取り上げた二重敬語。慣れない敬語を使いながら、より丁寧に伝えようとした結果、おかしなことになっていましたね。

丁寧に伝える気持ちも大事ですが、正しい敬語をマスターしたほうが、好印象でしょう。

 

お体をご自愛ください

 

普段の生活で「ご自愛ください」と使うことは少ないのではないでしょうか。

挨拶以外にもメールや手紙の結びに使われることが多いですね。

丁寧な表現で、目上の方だけでなく、誰にでも使える「ご自愛ください」です。

これを「お体をご自愛ください」としてしまうと、二重の意味になってしまいます。

「自愛」という単語の意味に「身体を大切にし、自分の健康状態に気を付けること」があります。

「自愛」に「体を」の意味が含まれていますので、これは二重表現になってしまいますね。

「一番最初」や「再び再開する」のようなものです。

また、「ご自愛ください」よりも、「どうぞ」や「何卒」を付けたり、「風邪が流行っているようですので」「気温の差が激しいときですので」とすると、より丁寧な印象を与えます。

「風邪が流行っているようですので、どうぞご自愛くださいませ」と結ぶといいですね。

 

社会人になると「ご自愛ください」のように、今まで使ったことが無い表現を知ることがあります。

例えば、依頼されている書類や企画案、デザイン案などを取引先にメールで送る場合「書類の内容を確認して受け取ってください」という意味を込めて、文末に「ご査収くださいますようお願い致します」と書くことがあります。

この「ご査収」という言葉も、日常生活ではあまり使わないもの。ただ、ビジネスメールでは使うシーンがありますので、覚えておくとスムーズですね。

同じくメールで使う「各位」という単語も注意が必要です。

「各位」は、複数の相手や、第三者に対して尊敬の気持ちを込めて用いられます。複数人に対して使うので、「関係各位」「参加者各位」などと表記します。

宛先が多数ある場合、メール本文の書き出しが「〇〇部長」「〇〇主任」と多くの名前が並ぶことになります。あまりにも対象者が多いと見づらくなりますよね。そんな問題を解決してくれるのも「各位」です。

また手紙や案内状など、複数の人が読むような場面でも「お客様各位」「取引先各位」として使われます。

「各位」そのものに尊敬が含まれていますので、「各位様」「各位殿」とは表記しませんので要注意ですね。

 

まとめ

社会人になって、初めに注意されるのは身だしなみと言葉遣いです。

身だしなみは、注意されたことを気を付ければ、ある程度カバーできますが、言葉遣いはすぐには直せないもの。

日頃からの努力やトレーニングが重要になってきます。

新入社員であれば「明るく元気に」で最初のうちはカバーできるかもしれませんが、早いうちに言葉遣いはマスターしておきたいもの。

敬語の使い方、尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分けができるようになるといいですね。

もちろん言葉遣いは敬語だけでなく、相手に伝わる言い方や、相手に心地よく伝わる言い方などもあります。

ひとつひとつの敬語を自分のものにしながら、ステップアップしていきましょう。

WRITER にーち

イラストレーター

イラスト・漫画を描いたりしてる人。
お絵かき・料理・ゲーム・お酒・オカルトが大好きな超インドア派女子。