【禁煙ホール】「空気がキレイ」は訴求にならない!?日本一禁煙ホールを見てきた男にインタビューをしてみた

様々な施設の禁煙・分煙化が進む昨今。我らがパチンコ業界にも禁煙化の波が押し寄せてきています。

先だってグランドオープンした「ベラジオ門真店」も『全館禁煙』を謳い、営業を開始しました。

参考記事:祝!3年8ヶ月ぶりの新規出店!ベラジオ門真店がグランドオープンしました【めでたい】

 

しかし、全国に点在する「禁煙ホール」「分煙ホール」が、全て満員御礼の稼働状況かというと…そうではありません。

「禁煙って、空気がキレイだよね。タバコの煙が嫌いなお客様は好んで通うのではないの?ってことはお店は!お客様でいっぱいになるんじゃないの!?」

ちびっ子のような論法で自問自答してみても、こたえは返ってきません。

全力で質問をぶつけられる、禁煙ホールウォッチャーはどこかにいないものでしょうか…。

あ、いた!

高橋和輝事務所代表 高橋和輝氏

我々は「日本一禁煙ホールを見てきた男」への接触に成功しました。

人物紹介:高橋和輝

「歩くイージス艦」の異名を持つ、高橋和輝事務所代表(の高橋さん)。年間300日ほど全国のホールを渡り歩き、常に最新のホール事情を調査している。ダイビングと葉巻をこよなく愛する。

 

―っと言うわけで、よろしくおねがいします。

 

「導入が雑すぎない?」

 

―なんかすいません。

別に良いけどさ…

高橋和輝さんは、『P-MEDIA JAPAN』と言うパチンコ業界のプロフェッショナル向けメディアサイトの運営をしている業界きっての情報通。

「禁煙ホールなら、たぶん日本一見ているよ」と頼もしいお言葉を頂いたので、この度【禁煙ホール】についてインタビューをさせて頂きました。

 

―それではよろしくおねがいします。

 

「空気がキレイ」訴求は8割失敗する

 

―ちょっ、いきなりショッキングなんですけど。だって、全館禁煙だったら、タバコの煙が嫌いなひt

「はいそこまで~」

 

―ッ???

 

「まず、全国の禁煙ホールを見てきた中での結論として『空気がキレイ=コンセプト』としていくのは難しい、ってことですね。」

 

―というと?タバコの煙が嫌いな人からしたら、十分コンセプトになり得ると感じます…。

 

「禁煙ホールで、空気が綺麗です!って訴求するってのは、例えばTシャツを売るのに『袖口は二つで半袖です!』って言っているようなものですから。」

 

―難しい

 

「Tシャツで袖口二つは当たり前ですよね、半袖もまあ言ってしまえば当たり前。」

 

―確かに

 

「じゃあそんな風にTシャツを売っているブランドがあるか、無い。例えば値段だったり、デザイン。材質だったりサイズだったり、それぞれ工夫してしっかりコンセプトを作っている。」

わかります?

―なるほど…では、禁煙ホールが単純に「空気が綺麗」とアピールするだけではダメってことですね

 

「まあダメというか、客入りを以て成功と呼ぶならば『空気が綺麗とだけ訴求する禁煙ホールは8割失敗しています』ね。」

 

―シビアな話だ。

市場調査だけでなく、ペルソナ設定をしているか

ペルソナとはね

「もちろん出店前に、その商圏のパチンコ参加人口がどのくらいいて…って言う分析はして店舗出店していると思います。既存店舗でも同様。で、『そのうちの○割が非喫煙者っぽいから、禁煙化は見込みありだ』って言う戦略だとしたら、ペルソナが解ってないです。」

 

―ペルソナ、知ってます。ニューギンの。

 

「おバカ」

「市場の中で非喫煙者が何%いるかって言う分析で禁煙にしてしまう。まあ、東京駅前とかなら大成功するでしょうね。要するに人がたくさんいたら、って言うことです。」

 

―非喫煙者が少ないって言うことですか?

 

「そうじゃなくて、非喫煙者は一定数いらっしゃるんですけど、その方は元々タバコを吸っていて今は吸わないのかずっと吸わない人なのかを考えていますか?ってことです。それがざっくり、ペルソナ設定ってこと。」

 

―わたしは元々チェーンスモーカーですが、今は辞めました。

 

「なるほど、もともとタバコは吸っていた。じゃあ、今はタバコの煙は気になる?」

 

―状況と銘柄によります。良い匂いだって思う煙も正直あるにはあります。でも隣で吸われると気になる、臭いが付きますし。

 

「そう言う方には禁煙パチンコって良いかもしれないけど、じゃあいつもパチンコはどこで打ちます?」

 

―…ふつうのおみせ。

 

「ね。」

 

―まあ気になるけどわざわざ禁煙ホールを探してまで…とは思います。

 

「じゃあ、そう言うお客様を取りこぼして今の時代でもやっていけるのかって言うと、そうじゃない場合の方が多い。」

一人でも多くのお客様を獲得しないとね

「空気が綺麗、が刺さるペルソナ像って言うのはタバコを吸わない人で尚且つ、昔から吸わない人と仮定できますよね。他には、昔吸っていたけど今は吸わない人紙巻きタバコを吸っている人電子タバコの人って分類したとして、例えば1/4の層にしか刺さらないんですよ『空気が綺麗』って言うのは。」

 

―なるほど、確かに。

 

「じゃあお客様の数が1/4で良いのかって、そんなわけないので。仮説として空気が綺麗が刺さらない75%の人には訴求するものがないんだから、そりゃあ8割失敗しますよ。」

 

―からくち

 

「吸えます」は刺さらない

先に言っとくけど

「吸えます、は刺さりませんよ喫煙者の方には。だってまだ時代が『パチンコ店では吸えて当たり前』ってところがあるので。」

 

―言われちゃいました。じゃあ禁煙パチンコホールは喫煙者に来店を促すのは難しいってことですか?

 

「前提条件が違っていると思っていて、ルールでお客様は来ないんですよ。」

 

コンセプトとルールは違う

「勘違いしてはいけないのが、『禁煙』っていうのは『ルール』なんですよ、コンセプトではない。ルールで人は呼べません。パチンコ店で言えば、営業内容・立地・ロケーション・設備・接客、いろんな要素があってお客様は来店を決めます。その中に、禁煙だから行くって言う意思決定はまだまだ弱いと思います。」

 

―お~、ルール。なるほど、しっくりきました(個人的に)

 

「ルールってのは前に出ないものです。禁煙か喫煙可能かはお店のルールであって、そこが第一義で語られることってないですよね。あそこは禁煙だから行かない、とかあそこは禁煙だから行く、とか。まずは魅力やコンセプトが前に出てきて、最後にルール。」

 

―なるほど、そう言われると。

 

「あそこのパチンコ店は立地も良いし営業も魅力的、接客もまずまず。だけど、喫煙ホールなんだよな、と言う風に。」

九州に、なかなか予約の取れないお寿司屋さんがあって

「メチャクチャ美味しいんですよ、お寿司。メッチャクチャ美味しい。」

 

―なに突然

 

「だけど、そこのお店は一切お酒の提供がない。」

 

―お寿司屋さんでお酒が飲めないのはツラタン

 

「でも予約が取れない、お客様は殺到。あそこのお寿司屋さんはメチャクチャ美味しい、でもお酒が飲めない。ってなりますよね?お酒の飲めないお寿司屋さんがある、でもメチャクチャ美味しいから行こう、とはならない。魅力やコンセプトが、ルールは。」

じゃあアイコス吸えます!はコンセプト?

―ルールをコンセプトに昇華出来そうなネタを考えましたよ。オホン、『アイk

「微妙っすね」

そうじゃねんだよな

「結局は、空気がキレイの範囲内ですよね。細かく言えばもっとあるんですけど、今日はさわりだけなのでアイコスネタについてはこの辺で。」

 

―はい(涙

 

「やっぱり、『禁』とか『フリー』とかは良くない。言葉として、ネガティヴなイメージは与えます。フリーはまだマシですけど。スモークフリーとか。」

 

―結論として、「禁煙ホールはダメ」ってことですか?

 

「いや、全然そうじゃない。ルールで終わる内はダメですよねって言う話。禁煙ホールと言うことを通して、『吸う人』『吸わない人』『辞めた人』『アイコス派の人』など、全てのペルソナに寄り添って店舗のコンセプトが作れたら、それってスゴイ魅力じゃないですか。」

全てのペルソナを網羅できたら強いっすよ

タバコが吸えます、って言う訴求は見かけます。入ってみたら禁煙ホールだった、分煙スペースがありますって言うのも一つのアプローチ。吸う人に対してのアプローチですよね。喫煙者を追いやらないと言うか。店内に喫煙ブースがいくつもいくつもある、って言うのも喫煙者に寄り添った施策。あとは豪華で過ごしやすい喫煙スペースって言うのも良い施策。」

門真店の喫煙ブース

 

「タバコの銘柄を多く、って面白いんじゃないですかね。禁煙ホールなのにタバコの銘柄が地域最多、とか。これってもう、ルールを超えて魅力・コンセプトになってきている。吸う人にも吸わない人にも、ペルソナに沿った訴求、提案をするって言うのが魅力的な禁煙ホールの在り方じゃないですかね。」

 

―高橋さんはセミナーでも「なのに」や「だけど」が大事とおっしゃっていますよね。

 

「例えば喫煙するお客様の健康状態に寄り添ってあげるとか。喫煙ブースにそういった掲示をする、とか。ただ単純に禁煙を施策として考えていると、やっぱり成功は遠いですよね。」

そうだ、最後に良いことを教えてあげますね

「また九州の話になるんですけど、タバコ・喫煙所関連で面白い取り組みをされているホールさんがあります。キーワードはコミュニティと共通言語、是非取材してみてください。」

 

―お話を聞かせてくれた上に、次のネタまでくれるとは神なのかな?

と言うわけで、禁煙ホールの事例を日本一見ている男、高橋和輝さんのインタビューでした、ありがとうございました。

いろいろと、目から鱗でした。

全国のホールの皆さん、禁煙化・分煙化について、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

さて、それでは私たちは九州への路銀を確保に行ってきます!(社長に)

それではまた!

WRITER Plus編集長

編集長★

BELLAGIO Plusの編集長。社内の取材をしたり、催事の取材をしたりして記事を書いています。取材同行歓迎!