「パチンコ業界は2020年が一番大きな問題を抱えているのだ…」って話を開発者目線で問題提起をしてみたよ

2018年2月に規則改正が行われて、ちょうど1年ほど経過しました。

あと2年でホールに設置されている旧基準機は全て撤去となり、2021年2月からはぱちんこパチスロの全機種全台が新基準機となります。

 

2018年2月から2021年1月までの3年間は経過措置期間として、この間に入れ替えてね。という期間を設けてもらっているのですが、1/3ほど経過した現在、ホールの新基準機設置状況はどーなっていますでしょうか?

 

……

 

…………

 

進んでいるホールさんでも10%ぐらいでしょうか?(汗)

 

ちなみに、2018年末時点で、全国にぱちんこは約265万台、パチスロは約167万台設置されていると言われています。

 

◆保通協における新規則機の状況確認

保通協のウェブサイトで毎月1日に、型式試験の実施状況(ぱちんこパチスロの適合状況)を確認することができます(リンク先:http://www.hotsukyo.or.jp/pdf/monthly.pdf

詳しい内容はリンク先で確認してもらうとしまして、過去1年ほど適合数を追いかけてみましたが、

ぱちんこ 約270機種前後

スロット 約100機種前後

の適合を受けたようです。(2019年2月現在までの適合機種数合計)

 

ここ半年ほどは、ぱちんこもパチスロも毎月70機種前後持ち込まれているため適合状況としては、ぱちんこはそれなりにと言えますが、パチスロはまだまだ苦戦している状況だと推測できます。

出玉試験が厳しくなったのも大きな要因の1つですが、新規則になると遊技機性能の詳細な部分は保通協試験での確認等も必要になることが多いので、どうしてもトライアンドエラーを行いながら何度も保通協に機械を持ち込むということが必要になるため、適合数が少なくなる部分もあるのです。

 

各遊技機メーカーの状況を確認するに、新規則機における型式試験の攻略に若干手間取っている印象は否めませんが、前述のトライアンドエラーを繰り返すことで規則の細かい部分に関しても把握できるようになっていきますから、あるタイミングから試験結果が徐々に改善していくと思います。

 

◆ぱちんこ機のトレンドは?

2019年2月より、ぱちんこ機の継続率は65%までといういわゆる継続率65%規制が撤廃されました。そのため、ぱちんこメーカー各社は確変65%以上のスペックを再び制作することが可能となりました。

 

しかしながら皆様ご存知の通り、2018年2月施行の新規則により出玉率における制限が厳しくなりました。継続率は高くすることができますが、出玉率という部分では制限がかかることになります。そのため、各ぱちんこメーカーは、継続率は高くしつつも出玉率がそこまで高くならないように工夫してスペック構築をしなければなりません。

 

具体的にいえば、下記のようなスペックの作り方になっていくのでは?と推測します。

 

  • 確変突入率と確変(右打ち)継続率を変えた機械

スペックでいえば初代の牙狼のように、確変突入率を50%(残り50%で単発)確変突入後は80%以上で継続させることによって、まんべんなく玉を出すのではなく、ある特定の状態の時だけ、玉が出るようにしてトータルで出玉を抑える方向性。

 

  • ロングST機

ST回数が200回転だけど継続率が80%を超えるタイプならば、長いSTとリーチ演出でお客さんを間延びさせることなくハラハラドキドキさせつつも、大当りと大当りの間の時間を長くすることで短時間の出玉率を抑制する方向性。

 

  • バトルスペックタイプ

継続率は80%以上と高いが、バトルに負けたときは出玉を0にすることで大当り全体の平均T1Yを少なくできる。大当りを重ねないと出玉が増えないため、結果として短時間の出玉率を抑制する方向性。

 

以上のようなスペックは、継続率が高いことでこそ生きるゲーム性でありながら、保通協の出玉試験にも対応が可能となるため今後増えてくるのではと予想することができます。

 

◆部品不足? 意外な問題

2021年の新規則時代に向けて新基準機をドンドン入れ替えていかないといけないのですが、暗雲が立ち込める大きな問題があります。

それは、「電子部品が足りない」ということです。

 

ぱちんこやパチスロは、数百を超える部品が組み合わさって出来上がっていますが、その中でも多くの部分を制御する「電子部品」の需要が、昨今の電気自動車・IoT・AIの発展により世界中で急速に高まっています。

 

不況に強いと言われるぱちんこパチスロ機は数年前の不況の時代は非常に良いお客さんでしたが、パチンコ業界の業績が下がり続け自動車産業や携帯事業の売上伸び続けた結果、パチンコ業界の電子部品は後回しになる傾向が強くなってきました。

 

ここ最近、新台の案件締切日が2ヵ月前、早いものでは3ヵ月前になってきているのは、電子部品の調達に時間がかかるようになってきたからと言われているのです。また、人気機種の再販のロット数が需要よりも大幅に下回るのも、電子部品の入手が困難なためという側面があるともいわれていますが、その傾向は益々強くなると予測されています。

 

◆ほかにもあるよ!2020年の問題とは

(1)高射幸性機撤去問題

パチスロの高射幸性機の設置比率を2020年1月31日時点で5%以下にしなければなりません。2020年には6号機がある程度揃っていると想定されますので、今度の5%以下は守らなければならなくなると思います。

 

(2)受動喫煙対策

改正健康増進法によって、2020年4月1日より室内全面禁煙となりますね。パチンコホールは第二種施設として区分されるそうで、室内全面禁煙のためタバコを吸うお客さんのために、基準を満たした喫煙ルームの設置をしなければならなくなります。

 

(3)消費税8%から10%へ

2019年10月1日より、消費税が8%から10%にアップすることが決定しています。貸玉料金が内税のホールさんは負担が大きくなりますし、外税のお店はユーザーの投資金額に影響が出ます。様々なデータで分析をすると、ユーザー動向にも少なからず影響を与えそうな気配です。当然のことながら、ホールさんにおける利益額にも変化は出てきますので、決して小さな問題ではありませんね。

 

(4)オリンピック・パラリンピックにおける入替自粛

2020年7月24日~8月9日にオリンピック、2020年8月25日~9月6日までパラリンピックが予定されています。どの程度の期間になるかはわかりませんが、これらの期間に関しても警察より入替自粛の要請があると予想されます。

 

(5)広告宣伝規制

広告及び宣伝規制 第16条

風俗営業者はその営業につき、営業周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならない。

以上のように規定されていますが、この条文の解釈や自主規制等によってライター取材や雑誌取材及び来店イベントなどが全国で禁止されるようになっています。大阪では2018年12月1日より規制されましたね。全国的に厳しくなっていくことが想定されています。

 

先の事を言えば鬼が笑うといいますが、今からしっかり考えないとガチで笑えない状況になりそうですね。

WRITER 荒井 孝太

遊技機開発会社社長

株式会社チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業・開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(http://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。