【新入社員向け】世界一わかりやすくパチンコのデータについて書いてみた

突然ですが、皆さんは「算数」や「数学」は好きですか?

 

「嫌いです!」「見たくもないです…」「学生の時は赤点でした」こんな声が聞こえてきそうですね(笑)

 

ぱちんこやパチスロは全て確率に支配されているので、その中身を紐解いていくと数学とは切っても切り離せない関係になっています。

 

ぱちんこパチスロの確率のしくみ

ぱちんこやパチスロの大当り抽選のしくみは、昔から「ルーレット」に例えられますね。

例えば、大当り確率が1/300の機械だったら、300個のマスがあるルーレットの1マスが大当り、残りの299個のマスがハズレとなっていて、1回転ごとにルーレット抽選を行っているというしくみです。

 

しくみの考え方は上記のもので概ね間違いはありません。ただし、このマスが基本的には65,536マスあることが一般的です。これは、ぱちんこパチスロの乱数が「2の16乗」によって構成されているからです。

パチスロの超レア役やフリーズの発生確率で「1/65536」「1/8192」などをよく見かけると思うのですが、全ての抽選をこの65,536の中でしないといけないからということですね。

 

そのため、65536個のうち205個が大当りの場合、確率は「205/65536」→約319.68となります。

 

約65000個の中から、約200個の大当りを引き当てるゲームだ、ということがわかってもらえるかと思います。

 

ぱちんこパチスロを理解しよう

ぱちんこやパチスロの中身も確率に支配されているので、当然データも確率に支配されています。そのため、データを見るだけではなく意味や内容を理解することがぱちんこやパチスロを理解する一番の近道となります。

 

ぱちんこは、ヘソと呼ばれるスタートに玉が入賞して液晶が1回転変動し、図柄が3つ並べば大当りとなりますよね。そのため、ぱちんこにおいて大当りに直結するのは「スタート」の回転数になります。パチスロは、コインを入れてレバーを叩いてストップボタンを押してリールを止めます。パチスロも図柄が揃えば基本的には大当りですよね。

 

ぱちんこはヘソに玉が入ると図柄が回る

パチスロはコインを入れてレバーを叩くとリール(図柄)が回る

 

若干の違いはありますが、どちらも同じですね。

この回転数を「スタート」と呼びます。

 

お客さまのスタートとパチンコ店のスタートは違う?

パチンコ店にくるお客さまは、ぱちんこ台にお金を投入して遊技をします。ヘソに玉を入れて液晶の図柄を回転させますので、基本的にはキリの良い「1000円」でスタートの計算することが多いですよね。

「この台、1000円で20回転まわるよ」とか「最初の1000円で5回しかまわらなかったよ、ムラがあるなー」とか、1000円基準で語られることが多いと思います。

 

しかし、パチンコ店側のデータは少し違います。

 

ぱちんこ台は1分間に100個玉を発射することができます。

規則で最大値が1分間に100個までと決まっているので、どのメーカーのぱちんこ台も発射数は1分間に100個まで。そのため、ぱちんこ台のデータ集計を行うホールコンピューターも、100個を1セットとして計算します。

100個の打ち出しでどのくらいスタートが回ったかを、そのまま「S」(スタート)と呼びます。

 

<例>

お客さま目線:1,000円で20回転した

ホール目線:100個で6回転した(スタート=6.0)

 

こんなイメージです。

ホールコンのデータでは、100個あたりの回転数しか基本的には表示されないので、お客さま目線で何回転しているかぱっと見ではわからないのです。ホールコンピューターによっては、内部で補正計算して1000円スタートを出してくれることもあるのですが、その計算方法やしくみを理解することで見えてくるものが沢山あるのです。

 

ホールのスタート回転数をユーザー目線の1000円スタートに計算してみよう

<問題>

◆スーパー海物語IN沖縄4MTC(以下、沖海4)

今現在、日本で最も多台数設置されていると思われるぱちんこ台です。

このぱちんこ台のスタート(S)が5.5回の時に、4円ぱちんこの1,000円スタートは何回転になるでしょうか?

 

スタートが5.5と言うことは、100個の玉を発射すればスタートに5.5回入賞するということ。

スタートに玉が入賞すると、沖海4は4玉お客さまに払い出されます。そのため、5.5回変動をすると、5.5玉×4玉=22玉払い戻されることになりますね。

 

よって、5.5回入賞させると100個の玉が無くなりますが、その分22個の玉が戻ってきますので、差し引き78個の玉しかなくなりません。

 

つまり5.5回のスタートでは78玉必要となります。4円ぱちんこでは1000円は250発の貸し出しですから、5.5回で78玉必要ならば、〇〇回で250玉必要となるわけですね。

 

ここで中学校の数学で習った「比の計算」の出番です。

5.5回 : X回 = 78玉 : 250玉

と、以上のような公式ができます。

これを計算すると、X=18.333… となりますので、1000円スタートは約18.3回となるわけです。

 

「ちょっと待ってください!!」

 

勘の良い方はお気づきかもしれませんが、これはヘソに入ってスタートが回転するときに払い出される玉だけを計算したものになります。実際には、保留が満タンの状態でヘソに玉が入った場合は、玉は払いだされますが、その分の図柄が変動することはありません。(通称オーバーフローといい、保留が満タンの場合は、図柄変動の権利が消滅します)また、盤面の下にポケット(その他入賞口やフロックともいいます)がありますよね。そこに玉が入賞した場合も、玉が払い出されます。

 

このように、ヘソ入賞のオーバーフロー分の払い出しや、ポケット入賞時に払い出される玉など、スタート入賞時「以外」の玉の払い出しをまとめて「BY」(ビーワイ)と言います。

 

機械によって違いがありますが、ここ最近の機械であれば、BYは「5~10」ぐらいの幅の中にいることが多いです。また、ヘソ賞球の払い出しとBYを合体させたものを「B」(ベース)と言います。

補足:
計数の呼称は記事上、一般的にメジャーなものを採用しています。S1やBYminなどの計数概念は省略しております。

 

まとめ

B(ベース) = へそ賞球数(4個)×S(スタート)+ BY(ビーワイ)

このような式になります。

 

・BY 100個あたりのスタート入賞以外の払い出し個数

・B 100個打ち込みに対する払い出し個数

 

突然ですが問題です!

  • 沖海4のSが8、BYが6の場合、1000円スタートはいくつになるでしょうか?
  • 沖海4で1000円スタートが0回、BYが5の場合、S(スタート)はいくつになるでしょうか?

※答えは、ページ最後のわかりにくいところに記載しておきます!

 

データを深掘りすることで見えてくるもの

今回の計算は、パチンコデータの初歩の初歩となりますが、一つ一つ理解を深めていくことで再認識することが沢山あります。

 

例えば、B(ベース)は、

  • 1.図柄変動に係る玉の払い出し
  • 2.図柄変動をしない玉の払い出し
  • 3.ポケットに入る玉の払い出し

この中で、お客さんが最も嬉しいのは1になります。もっと言えば、2や3はお客さんからすると、殆ど気にならない玉の払い出しとも言えますね。そう考えれば、お客さん目線でいえば、同じ「B」(ベース)であったとしても、1の比率が多いぱちんこ台の方が結果として図柄が沢山変動するので良い機械だと思いませんか?

 

逆に2が沢山発生する台は、折角ヘソに玉が入って抽選を受ける権利を獲得できるにも関わらず、保留が満タンでその権利が消滅することが多い…、お客さんは不満に思うことが多くなるのではないでしょうか?

 

そうなっていくと、保留が満タンのときには図柄変動が短くて満タン状態を極力短くする機械の方が良いのではないか?とか、一定の割合でヘソに玉が入る、いわゆるスランプの無い台の方が良いのではないか?とか、様々な「気づき」が出てくるはずです。

 

パチンコのデータを知ることで「気づき」を増やし、結果として同じ割数であったとしてもお客様満足度を高めることができるのが、ぱちんこのデータをよく知るということなのです。

 

ということで、今回はぱちんこのデータの初歩について深掘りをしてみました。数学的な話なので、今回の記事の反響が良ければ次回はもっと深掘りした記事を書きたいと思います(笑)

 

答え:①約20.48回 ②約5.973回

WRITER 荒井 孝太

遊技機開発会社社長

株式会社チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業・開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(http://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。