パチンコ縛りの一人旅~熱海編(後編)

こんにちは、偏愛パチンコライターの栄華です。
前回記事「パチンコ縛りの一人旅・熱海編(前編)」はお楽しみ頂けたでしょうか。

「いや、これをパチンコ旅行記と言われましても…」

なんて声も聞こえてきそうですが、今後もこのシリーズは岩をも通す一念で今のスタンスを貫く所存ですので、どれ様子を見てやろうという方は閲覧のほどお願い申し上げます。
では後編スタートです。

~2日目~

9:00 朝食

元パチンコ店をリノベーションしたゲストハウス「MARUYA」さんのカプセルシングルルームで起床。寝心地が良すぎて(枕との相性が良くて持ち帰りたいぐらいだった)少々寝坊してしまいました。

宿の朝食はご飯とお味噌汁だけ用意されています。オカズは熱海銀座商店街で購入してきて、アウトドア用のバーベキューコンロで焼くセルフスタイル。商店街の活性化にもつながって面白いですね。

パチンコ店もこういう取り組みと連携して何か地域貢献のサービスをできたらいいですのにね。商店街で朝の散歩を楽しむ宿泊客に「食後のコーヒーサービス」とか。そんなのも広告規制に抵触しちゃうのかなあ。

 

10:30 チェックアウト

貴重なステイ体験をさせて頂いたMARUYAさんを後にし、昼食の時間まで町ブラ。某ホールの前を通りかかると、ハッピを着た店員さんが気合の入った様子で道行く人に挨拶をしています。新店長就任&入替初日の12時開店だそうで、気が付いたら整理券を受け取っておりました。

 

11:00 ちょっと早いけどランチ

さて、昨日食べそこねたお店でランチ!

市民食堂「味よし屋」(みよしや)
静岡県熱海市銀座町7−17

 

熱海で生まれ育ち、地元で長年仕出し屋さんを営まれていたご主人が、元パチンコ店の建物を買い取って2018年にオープン。地元に恩返しをしたいという思いから「市民食堂」と名付けたそうです。なのでお客さんは観光客より近隣にお住まい・お勤めの方々が中心。飽きずに通ってもらえるようにと、メニューは和洋中取り揃えています。

私がこの建物の存在に気づいたのは2013年。その時に撮影した写真がこちらです。


ホール時代の名前は「正ちゃん」。2000年代の半ば頃まで営業していたとのこと。パチンコ店が建つ前は旅館があったそうです。もともと落ち着いた雰囲気の建物なので、出入口付近を飲食店っぽく改装しただけですんなり熱海の景色に馴染みますね。

でも、この辺の照明跡や装飾は見る人が見ればピンと来ちゃう感じ。

では、中へ入ってみましょう。
(お食事中のお客さんにご迷惑がかからないよう、閉店時間中に撮影させて頂いた写真も含まれております)

わー、広~い!

なんだか大学の学食みたいに広々として開放感があります。
しかしよく見ると…


不似合いな監視カメラ(今は作動してません!)や、高い位置にある内倒し窓など、パチンコ店時代の痕跡が見られます。


シックな吹き抜けとステンドグラス風装飾もパチンコ店時代のまま。


このビッグサイズの掛け時計もパチンコ店にあったものをそのまま引き継いだそうです。

パチンコ店を転用した施設は、床に島設備や固定椅子の跡が残っているか が大きな見どころのひとつになりますが、ここはMARUYAさん同様、床板は張り直されていました。というのも、店主には「家に閉じこもりがちな独居のお年寄りに利用して欲しい」という強い気持ちがあり、転倒防止のためにも床をフラットにしたかったそうです。

椅子や机もお年寄りが扱いやすいよう厳選されています

こちらはトイレ。

パチンコ店時代の痕跡が残りやすい場所のひとつなので中をお見せしたいところですが、このあとすぐお料理の写真をご覧に入れるので掲載は控えます。結論を申し上げますと「パチンコ店時代のまま」でした。ぜひ熱海旅行の際にご自身の目で確かめてみて下さい。

さあ、昨夜の海鮮欲を大開放! 全メニューの中で一番高額な「刺身定食」(それでも1000円)をオーダーしました。現在も仕出し屋さんを兼務しているというご主人の仕入れの目利きが光ります。

ご主人に「正ちゃん」へ遊びに来たことはありましたか? とお聞きしたところ、「ない」とのことでした。ただ、ホールスタッフからお弁当の注文が入ることがあったので配達には出入りしていたそうです。なるほど、そういう形でパチンコ店と仕出し屋さんが結びつくことがあるのですね。

取材を快く許可して下さったご主人。帰り際には取材の思い出にと、オリジナルボールペンを進呈して下さいました。

握手をしながら「頑張ってね」と見送って下さった笑顔が眩しかったです。

 

12:00 実戦

先ほど整理券をもらったホールへ戻り、しっかり新台を確保。4円パチンコの『冬ソナファイナル』です。

(C) Pan Entertainment. (C) KYORAKU

画像はハズれた赤保留。1万円勝負と決めていましたが、とてもよく回っていたのでもう1万円投資。しかし結局大当りゼロで2万円のマイナスという結果に終わりました。パチンコを打たない方からすると「ええっ!2万円も負けたの? 信じられない!」と驚くところでしょうね。

最近、パチンコ未経験者さんも読んでくださってるようなのでちょっと補足しますが、この時は回転率の高い台(大当り抽選を受けられる回数が多く、計算上の期待収支の高い台)を打っていたので、2万円負けてもあまりガッカリしませんでした。よく回ってテンポがいいので気持ちがよかったぐらいです。たまたま2万円負けましたがたまたま2万円勝つこともあるわけで、パチンコって、リスクをコントロールしながらきちんと金銭管理をして立ち回れば、お金の出入りは激しくても目減りは少ないレジャーだと思うんです(2019年4月現在)。私はサービスへの対価としてホールにお金を払いたいので、運で勝つ日があって喜んで、負ける日もあってしょんぼりして、そんなことを繰り返しながら生涯収支は適度に負けるのが理想だと思ってます。プロやセミプロを否定してるわけじゃないですよ。勝つことを目的に打たないほうが私は楽しいだけです。何年も悩んでたどり着いた、自己満足に限りなく近い気持ちの落としどころですね。

 

14:40 レトロパチンコのある場所へ

さてさて、今回の旅の最後の目的地へ。

和田たばこ店
静岡県熱海市昭和町4−27
Facebook

 

熱海屈指の昭和レトロスポットとして有名な駄菓子屋さん。店内にはゲームの筐体がぎっしりひしめいています。いわゆる「10円ゲーム」とか「駄菓子屋ゲーム」と言われた懐かしいゲームたち。私も小学校低学年の頃に依存症になるほどハマりました。

店内には「撮影禁止」の貼り紙がたくさんあったのでドキドキしましたが、ゲームで遊んでいるうちに「ちゃんと取材したい!」という気持ちが抑えられなくなり、意を決してご主人にお声がけしました。するとご主人の和田さん、パチンコがお好きな方でした! 他の趣味と同様、パチンコも好きな人は少し話せばすぐに気持ちがつながります。熱海の古いパチンコ店のこと、お若い頃によく打ったという懐かしい羽根モノのお話、特殊景品のマル秘エピソード(ここには書けない!)などを次々とご披露下さり、時間を忘れてしまいそうなほど盛り上がってしまいました。

ということで、晴れて撮影許可を頂いたので、どんなゲームがあったかご紹介してゆきましょう。

まずはこちら。

ゴールを目指して10円玉そのものを弾いてゆくタイプのゲーム。今回はパチンコ縛りの旅行記ですので、ゲームそのものではなく「ここ」をご覧ください。

 

Sammy!(ピンボケすみません)

あのSammyです。
(サミー機から好きな台を1つ挙げ「あの〇〇で有名な」と一言入れようと歴代機種一覧を改めて見たら『ビジトジの忍気爆発!』の思い出で頭がいっぱいになってしまったので機種名出すのやめます。)

このゲームを作ったのはSatomiというメーカーで、製造された昭和51年はまだSammyという名称はブランド名だったそうです。

メダルの受け取り口にもロゴがありました。

 

続いてこの両替機。

100円を入れて、右側にあるダイヤルを やさしく 回すわけですが…


ここにも見たことのあるロゴマークが!

パチンコ・パチスロメーカー大都技研のグループ会社「株式会社ダイト」の製品です。
「旅」つながりの豆知識をひとつ。株式会社ダイトは宿泊施設のアメニティグッズで高いシェアを誇っていて、客室に備え付けのハブラシや綿棒・コットン等で知らず知らずのうちにお世話になっている会社です。

イメージ画像

そして今回、私がもっとも入れ込んだゲームがこちら。


『Time80』です。
この記事 の「宿泊施設の娯楽室」の項でご紹介したのと同じ機種。岐阜県山県市の「岐阜レトロミュージアム」にも設置されてました。


メーカーはユニバーサル。昭和49年のゲームだそうですが現在とロゴが同じです。駄菓子屋ゲームってパチンコと縁が深いのですね。

 


20円で文字通り最高80秒間遊べるゲームで、手打ちパチンコの要領で入賞口を狙います。10点獲得で賞品ゲット。

 


ライオン型の賞品受取口。かっこいい!

このライオンの口から景品が吐き出されるところが見たい…!
その一念で目の色を変えて打ち込みました。両替機のハンドルを何度回したか思い出せません。しかし「長時間打つほど熟達する」とは言い切れないのが手打ちの難しいところ。電動ハンドルでなまった右腕に疲労が蓄積し、ストロークの精度がどんどん鈍ってゆくのです。ご主人からコツをお聞きしながら挑みましたが最高得点は9点…無念です。

そんな私にご主人はどこまでも親切にして下さいました。倉庫にもう一台『Time80』があるからと見せて下さったのです。


これは初めて見る機種です。昭和48年製で、役物やチューリップは当時のパチンコ台に使われていたものと同じですね。いつかこの台も打ってみたいです。

 

さらには!

隣接の「迎夢館」にも案内して下さいました。


これはすごい。ゲームやジュークボックスなどが所狭しと並んでいます。もちろんプレイもOK。


ご主人のお勧めは名古屋の「葵製作所」(名古屋市南区)というメーカーのパチンコ台。昭和30年頃に実際ホールに設置されていたそうです。

愛らしい風車やハッタリ

そして、入り口のカウンターの下にも2台のパチンコ台が!

機種を見てピンと来ました。
これはもしかして「あのホール」に設置されていたものではないでしょうか。

 


あのホール。
レトロ台マニアに愛された熱海の名店「トキワホール」です。

 


これは2006年7月に初訪問したときの写真。みなし機(検定・認定期間が過ぎた台)は既に打つことを禁じられており、このあと間もなく閉店を余儀なくされてしまったのです。


そのトキワホールに設置されていた台に邂逅できるなんて…。


実は私の自宅にも、トキワホールに設置されていたチューリップ台のセルがあります。『ルートワン15』という台で、あるコレクターさんから譲り受けた宝物です。なんだか、この子の生き別れた兄弟にでも出会ったような気分になってじーんとしてしまいました。

 


駄菓子屋ゲームのみならず、懐かしいホールに設置されていたパチンコ台たちにも出会える和田たばこ店と迎夢館。熱海を訪れたら必ず足を運ぶべきスポットです!

 

17:00 帰路につく

和田たばこ店のご主人ともっとパチンコ談義をしたいところでしたが、残念ながらタイムオーバー。名古屋に向けて「こだま」に乗り込みます。

普段取材のあとは、いつもスマホのメモに覚え書きをしますが、この日は無性にペンを使いたい気分になりました。

パチンコ縛りの一人旅。ワンテーマでこんなに充実した時間を過ごさせてくれるパチンコってやっぱり素晴らしい! とわたし的には大満足でしたが、読んで下さった皆さんはどう思われたでしょう。「同じような旅をするために熱海へ行きたい」と思って下さった方が数人でもおられたら書き手として合格。「さっそくゴールデンウイークに行ってきました!」という方が現れたら企画として大成功です。「勝ち負けだけじゃないパチンコ」を旅の目的地にするべく、これからも縛り旅をお届けしてゆきますので、リクエストや情報などありましたらお寄せください。

 

WRITER 栄華

ライター

「パチンコの周辺文化」を探究するフリーライター。全国2200店以上のホールを訪ね歩き写真を撮影するほか、「パチンコ店のトイレ研究」や「パチンコ書籍の蒐集」など、他の追随を許さない独自の着眼点が注目されている。活動媒体は「パチンコ必勝ガイド」「パチンコ・パチスロTV!」など。