【気になる費用は】ぱちんこパチスロの版権タイアップについて、専門家が深掘りをしてみた【裏話】

ぱちんこ機やパチスロ機開発には切っても切り離せなくなったタイアップ機。

 

一説には、タイアップの契約金だけで数億円とも言われたりしていますね。また、ドラゴンボールやスラムダンクなどの超大型漫画版権のタイアップ機は、作者がパチンコとはタイアップさせない。と言っているなどの噂がまことしやかにささやかれていたりもします。

 

ぱちんこパチスロ機初のタイアップ機

ぱちんこパチスロ機のタイアップ機というのは意外と歴史が古く、時は1992年に遡ります。業界初のタイアップ機はSANKYOから発売された「オロチョンパⅡ」という台で、何と、あの河内屋菊水丸とタイアップしたハネモノだったのです。

ネットから拝借

チャッカ―に玉が入賞し、羽が開放するタイミングで「今や!今や!」とか「チャンスやで!」とか関西弁バリバリな河内屋菊水丸のセリフが流れる作りとなっていました。こんなぱちんこ台が、今から約25~26年前にリリースされていたのです。

 

今から25年~26年前といえば、奇しくもぱちんこ機における型式試験申請及び検定申請における内規が制定され、それまで一世を風靡していた連チャン機が規制の対象となった頃でもあります。

そしてその代替でもある「CR機」の導入がスタートした激動の時代。その時代にリリースされたCR花満開(3or7図柄で大当りすると、最低でも確変が2回継続するという通称「2回ループ機」)などが全盛の時代でもありました。

 

この時代は、タイアップ機は相当珍しく、殆どのメーカーがオリジナルの機械で開発・発売をしていた時期でもありました。

 

時代の流れと共に必要とされだした版権タイアップ機

大きく流れが変わったのが1996年。

行き過ぎた射幸性を抑えるために確率変動の回数を最大5回継続までと自主的に規制した通称「5回リミッター」時代です。この時代は、大当り確率を1/360までとし、CR機でそれまで認められていた時短や確変2回ループなども合わせて規制をするといった厳しい内規でした。

 

この規制により、各メーカーが差別化を行うためにそれまで以上に液晶演出に力を入れ始める時代へ突入します。

 

タイアップ機が一躍脚光を浴びたのは平和が1998年にリリースした「ルパン三世」です。

今でもルパン三世といえば、ぱちんこパチスロの有名タイアップ機で、新シリーズが発売されると話題になりますね。

このルパン三世は、他のメーカーのスペックとほぼ同じであったにも関わらず、馴染みのあるキャラクターによる多彩なリーチ演出や、誰もが知っているルパンの楽曲などを使用して非常に高い完成度に仕上げたことで当時大人気となりました。

 

この大成功をきっかけに、各メーカーは版権タイアップ機に将来性を強く感じ、開発状況はタイアップに徐々に傾倒していくことになります。

 

版権タイアップ機のイメージだけではなく、業界の構造すら変えたエヴァンゲリオン

次の転換期は2004年に発売された「CR新世紀エヴァンゲリオン」です。

元々アニメ好き界隈では有名でしたが、一般的な認知度はそこまで高くありませんでした。この機種は遊技機の規則改正(ぱちんこ機の確率が1/500まで&確変の上限が撤廃)直後にリリースされた機械でもあります。

 

アニメ新世紀エヴァンゲリオンは、1995年から1996年にテレビ東京系列で放送された、当時はまだマイナーなアニメでした。それがCR新世紀エヴァンゲリオンの大ヒットもあり、2006年に新たな設定・ストーリーにて再構築した「エヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズ全4作の制作が発表されることとなります。

 

CR新世紀エヴァンゲリオンにおける大ヒットは、版権タイアップ費収益や認知度向上など、続編が作られるきっかけとなったのは間違いありません。

 

この大ヒットによって、今までは版権管理元からぱちんこパチスロ機開発において版権を借りるだけであった開発が、版権管理元と遊技機メーカーが共同で版権を育てようとする動きが出始めました。今では、新規アニメの制作委員会に遊技機メーカーが参画することも珍しくありません。

 

それらをやり過ぎた結果、一時はぱちんこパチスロマネーがアニメ業界を侵食しているとも揶揄されることになるのです。

しかし、ぱちんこパチスロの版権タイアップ費用によって作品が息を吹き返した事例も少なからずあります。むしろアニメ業界の現場サイドからは、ぱちんこパチスロマネーによって良質なアニメを制作できる環境ができたと感謝されることも少なくありません。

 

気になる版権タイアップ料金は?

皆さんが気になる!?であろう版権タイアップ料金は、その版権を持つ版元側とその版権をタイアップしたいメーカー側交渉によって金額が決定されます。

その費用は数万円~数十億円までかなり幅が広いです。

 

具体的にいうと、アニメ版権や漫画版権、歌手やドラマなどの実写が出てくる版権などでも違いがあります。ざっくりまとめると、以下のような感じになります。

 

■漫画版権

漫画とのタイアップとなります。その漫画がアニメ化されている場合、アニメ素材を使おうとすると別途お金がかかったりします。また版元によっては漫画版権の場合、漫画はOKだけどアニメはNGという場合があります。

このような場合、アニメの声優は一切使うことはできません。たまに、アニメの声優とぱちんこパチスロの声優が全く違うことがありますが、これが原因です。

「漫画」と「アニメ」とでは出版社や権利関係の兼ね合いもあり『別物』として考えられます。

 

漫画版権費用は、2019年現在知っている人は知っている漫画版権で2,000万円~3,000万円。誰もが知っている有名な漫画だと、億を超えてくると思います。仮に、ドラゴンボールのように超一流版権と呼ばれる漫画がぱちんこパチスロになる場合は、十中八九コンペ案件になり、最も高く入札したメーカーが落札することになりますので、金額はいくらになるかは誰にもわかりません。ちなみに、今までのコンペで最高額は数十億円とも言われています。

 

■アニメ版権

アニメのみの版権となります。原作の漫画は基本使えません。漫画版権とは逆ですね。両方使える場合もありますがそれも含めて契約次第です。

費用も、漫画版権費用と同じようなイメージです。別途声優によるボイス収録などもありますが、こちらは音声の権利買い取りも含めて、1名あたり数十万円から、大御所声優ともなると数百万円になることもあります。

 

■ドラマ・映画版権

登場人物の役者は肖像権がありますので、別途個別の契約になります。たまに、ドラマや映画の版権で実写が全くない場合や、一部の登場人物の実写しか出てこない場合、肖像権の問題であるのは間違いありません。

 

ドラマ・映画の版権は、漫画やアニメ版権よりもぱちんこパチスロ機を作ることが難しいので、若干安くなりがちです。それでも、若干ですが……

肖像権はタレントさんによって金額が全く違いますが、安い人(文化人や一般人など)は数万円から、一流芸能人となると億は超えてきますが、こちらも一時よりも安くなりました。

あとは、別途ぱちんこパチスロ用に新規撮り下ろしがあるかどうかで金額が変動します。当然、新規撮影がある方が高額になります。

 

■歌手版権

歌手自身の版権タイアップとなりますので、その歌手が歌う楽曲などは別契約になります。1曲毎に契約をしなければなりません。大体の相場ですが、1曲1台あたりトータルで400円前後かかります。なので、5曲搭載されていて1万台販売した機械は、楽曲使用料だけでトータル2,000万円前後かかり、別途歌手の版権費用もかかります。歌手の版権費用は、ドラマ・映画版権の肖像権と同じようなイメージです。

 

こんな豆知識を頭に入れてぱちんこパチスロを打つと、新たな発見や楽しみがあるかもしれませんね。

WRITER 荒井 孝太

遊技機開発会社社長

株式会社チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業・開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(http://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。