
2018.06.07
腰痛のリスクを抑える正しいイスの座り方
みなさん、腰は大丈夫ですか?
日本ではおよそ8割の人が、一生に一度は腰痛に悩まされると言われています。このページを読んでいる方の中にも、現在進行形で腰痛を患っている方がいるのではないでしょうか。
腰痛が悪化すると、立っているのも座って過ごすのも辛くなります。場合によっては、仕事や日常生活にも悪影響を及ぼす悩みの種です。
現代の人は、イスに座って事務などのデスクワークをしている方が多いですよね。つまり、座っていても腰痛になる危険性はあるということです。
ということで今回は、腰痛になってしまう座り方、腰痛を予防するためのイスの座り方を解説していきます。
腰痛の原因
そもそも実は、立っているときよりも座っているときの方が、腰痛のリスクが高いということをご存知でしょうか?
「えっ?座っているときの方が楽なのに?」
と思われる方もいるでしょう。
しかし、座っているときに腰にかかる負担は、立っている状態と比較してなんと1.5倍とも言われているんです。
立っているときは、上半身の重さを下半身全体で支えているので、腰にかかる負担というのはそれほど大きくありません。
しかし座っている状態では、上半身を腰からお尻で支える必要があります。
正しい座り方を実践していれば骨盤で上半身を支えることができるのですが、前傾姿勢になったりすると骨盤が正しく使えず腰や背中で支える羽目になってしまうのです。
そして、無理な負荷をかけられることで腰や背中にダメージが蓄積され、最終的に腰痛を引き起こす原因となります。
つまり腰痛を回避するには、正しい座り方をマスターする必要があるのです。
正しい座り方
正しい座り方の条件は、大まかに3つです。
- 深く座る
- 足を床に完全に付ける
- 肘を90度に曲げる
一つずつ解説していきます。
深く座る
まずは、腰をしっかりと背もたれに付くまで深く座りましょう。
背もたれ付きのイスに深く座ると、骨盤と上半身が垂直になりしっかりと支えることができるようになります。
このときに大事なのが、坐骨です。坐骨とは、骨盤の下側にある左右二対の骨のことです。
坐骨が座面にしっかりと当たることで骨盤が安定し、腰や背中にかかる負担をいくらか減らすことができるようになります。
足を床に完全に付ける
足が浮いた状態だと太ももの裏に負担がかかり、血流が悪化することで足のむくみの原因の一つとなります。
また、太ももへの負担を和らげようと足を組んだり、イスの上であぐらをかいてみたりと、姿勢が悪くなってしまうこともあるので注意が必要です。
足を完全に床に付けるには、高さを調節できるイスがあると良いでしょう。無い場合は足場を別に用意する、という方法もあります。
肘を90度に曲げる
腰には直接関係ありませんが、上腕を上半身とぴったりと平行にして、肘を90度に曲げてパソコンなどの作業をするようにしましょう。これはパソコンとの距離を適切にするためです。
人は見えている対象物に対して近づくという習性があります。パソコンまでの距離が遠すぎると、近付こうとして頭が前に出て前傾姿勢になりがちです。
対象物との距離を適度に保つことで、上半身の姿勢も正しい位置を保てるようになります。
腰にやさしいイスを選ぶ
ここまで読まれて気づいた方もいるのではないでしょうか?
「ひょっとしてイス選びも重要?」
その通りです。イスの高さや背もたれの有無など、腰にやさしいイスの条件というものがあります。
座面の高さは膝下くらい
先ほど書いた通り、膝は90度に曲げ足は床に完全に付けるのが腰にやさしい座り方です。
イスの座面(座る部分)がちょうど膝下くらいなら、太もももぴったり座面にくっつき、かつ膝を90度に曲げても足裏が床にぴったりとくっつきます。
もちろん、世の中には様々な体型の人がいます。自分に合った高さのイスなんて、そうそう見つからないかもしれません。
そんなときは高さが調節できるイスを選ぶと良いでしょう。もしくは、少し座面が高いイスに足場を合わせてみても良いかもしれません。
背もたれがあるタイプ
背もたれは寄りかかって楽をするためではありません。上半身の姿勢を正しくキープするためにあります。
角度は垂直から少し傾いている程度(100度くらい)がベストです。
ゲーミングチェア
パソコンでゲームをする人向けに作られたイス、それがゲーミングチェアです。
ゲーム用ということで一見今回の話と関係ないように思いますが、実はゲーミングチェアは腰痛予防にも良いんです。
ゲーム用といっても、ゲームに直接関係するような機能が備わっている、ということはほとんどありません。どちらかといえば、長時間ゲームをしても体に負担がかからないように機能を充実させている場合がほとんどです。
多くのゲーミングチェアには、
- 高さ調節
- ヘッドレスト(頭を支える部分)
- アームレスト(肘掛)
- リクライニング機能
- ランバーサポート(腰を支える部分)
- キャスター
といった機能が備わっています。
ランバーサポートとは

出典:Amazon
ランバーサポートは背もたれに付いている出っ張った部分のことです。
本来、人の背骨は横から見てS字を描いています。この状態を自然に保つことで、腰や背中への負担を少なくしているのです。
しかしイスに座ることで、このS字が崩れてしまうことがあります。ランバーサポートは、腰にあてがうことでS字をなるべく自然に保たせる効果があるのです。
外出先では
外出先では、自分に合ったイスを用意する、なんてことはできないですよね。
ということで、簡単にできる方法も見ていきましょう。
足を前に出す
足を前に出すと、上半身を前に出しづらくなるはずです。
前傾姿勢を予防することで、腰に負担がかかりにくい正しい姿勢を保つことができるようになります。
長時間座らない
元も子もないですが、そもそも自分に合ってないイスには長時間座らない方がベストです。
無理に正しい姿勢を意識しすぎても逆に体に負担がかかったりもするので、なるべく自分に合ったイスを探す、それが無理であれば短時間で立つようにした方が良いでしょう。
如何でしたか?腰痛持ちは辛いですよね…座り方に意識をして、少しでも腰痛を和らげることができる様にしてください!